“令和の怪物”佐々木朗希投手を擁する大船渡高校野球部について

163キロ右腕の佐々木朗希投手(大船渡)の初戦が明日11時30分にスタートする

ちなみにこの試合は岩手朝日テレビなどが全国にインターネット配信される

そこで気になるこの大船渡高校についての情報を提供しておく

県立高であることから野球を始めスポーツではそこまで強豪校というわけでもない

近年の岩手県は花巻東と盛岡大付属高校の二極化気味でこの大船渡高校は長らく甲子園出場がない

大船渡高校の最後(現時点で)にして唯一の甲子園出場年は今から35年前の1984年のことだ


寧ろ大船渡高校は野球よりサッカーの方が盛んである

小笠原満男選手や中田洋介選手や今野章選手他Jリーガーを多く輩出している

それに対してプロ野球選手は現時点ではまだ1人も輩出していない

もちろん・・・今年の秋にほぼ確実に同校初のプロ野球選手は誕生するだろうが

それについてはまだ先のお楽しみということで・・・

とりあえずは岩手の先輩である菊池雄星投手や大谷翔平投手のようなメジャー志向はないようだ

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1984年の大船渡高校は春夏甲子園出場

この年の大船渡高校は決して前評判が高いわけじゃなかった

しかしそんな低評価を覆して当時の岩手県勢最高位に並ぶベスト4まで勝ち進んだのである!

ちなみにその前のベスト4はなんと大正時代まで遡らなきゃあならない

雪国で有力な私学もない岩手県勢はどうしても全国でも弱い部類に入っていた

甲子園に出場しても初戦敗退がほとんどで選抜(春)は出場することすら稀な時代が長かった

そもそも高校野球はなかなか東北以北の高校が活躍することが難しい


さらに岩手県内のパワーバランスでも大船渡高校のように沿岸部にある高校は苦しい

沿岸部の涼しさに慣れてしまっていることから内陸部の蒸し暑さに弱いからだ

試合会場は内陸の花巻や盛岡であり暑さに慣れている内陸高の花巻東や盛岡大付属に比べても不利

そんな地理的な不利要素まであるのだ

実際に沿岸部の高校が最後に夏の岩手県大会を制したのは1993年の久慈商業が最後である

しかもこの年は近年でも屈指の冷夏であの「タイ米」が流行った(?)年である

もちろん公立校というハンデもあるだろうが・・・



そんな歴史的背景を背負った大船渡だが1984年は甲子園で大活躍だった

主将の吉田亨捕手を中心に「火の玉野球」を揚げて大船渡旋風を巻き起こした

抜群のコントロールを誇った左腕のエース金野正志投手

甲子園で2本塁打を放った4番の鈴木嘉正選手

1番サードでチャンスメーカーだった木下清吾選手

これら中心選手を中心にチーム全体が機能した結果だった


1回戦の多々良学園に4-0

2回戦の日大三島に8-1

準々決勝は強敵明徳に1-0

そして準決勝で岩倉相手に1-2で惜敗した

その岩倉はエース山口重幸の活躍で決勝も清原桑田擁するPL学園を1-0で破って優勝した

1安打完封に抑えての勝利だった

この年は夏の甲子園大会にも出場した大船渡

しかしセンバツ時とは心境が違ってしまっていた

センバツ大会での大活躍から岩手に戻ると駅のホームは出迎えで溢れるほどのフィーバーだった

その後はどこへ行っても好奇の目にさらされる日々

街ではつねに声をかけられサインを求められたりもする

それが重圧とプレッシャーへ変わってしまい選手たちは皆浮足立ってしまっていた・・・


結果は長浜高相手に3-4で初戦敗退

プロ野球選手も輩出することなく大フィーバーを巻き起こした「キセキの世代」は幕を下ろした

その後岩手県勢はまた長い「冬の時代」に突入する

甲子園に出場してもほとんどが初戦敗退の日々

それを打破したのが2009年の菊池雄星擁する花巻東高校の大活躍だった

選抜(春)は岩手県勢最高位になる準優勝で夏はベスト4だった

そしてエースの154キロ左腕菊池雄星投手はその年のドラフト1位で6球団から指名を受ける

抽選の末に西武ライオンズに入団が決まる

岩手県勢初のプロ野球界のスター選手誕生である

菊池雄星は長く伸び悩んだものの西武ライオンズのエースに成長した

そしてメジャーリーグに羽ばたいたのである

2019年の大船渡高校は35年ぶりの甲子園出場を果たせるか?

沿岸部高校としても1993年以来26年ぶりの甲子園出場の期待がかかる大船渡高校

当然佐々木朗希投手の活躍は欠かせないことは言うまでもない

そしてもう1人・・・上述した「1984年戦士」の1人である木下清吾選手の息子が今の3年にいる

主砲の木下大洋選手だ

4番は大谷選手同様に「二刀流」の可能性も秘める佐々木投手が入るがその後を打つのが彼だ

佐々木投手が敬遠で勝負を避けられれば当然彼にかかる期待は大きくなる


また、35年前も正捕手の吉田選手が主将としてチームをまとめたように今年も正捕手はポイントだ

その正捕手である及川恵介選手は佐々木投手とは小学生時代からの幼馴染である

佐々木投手を「一緒にバッテリーを組んで甲子園に行こう」と大船渡に誘ったのも実は彼らしい

佐々木投手は当代最強高校の大阪桐蔭からスカウトが来ていた

しかし佐々木投手も「地元の仲間と甲子園に行きたい」と大阪桐蔭の誘いを蹴って地元に残った

これで本当に甲子園に出場出来たらちょっとしたドラマだよねこれはもう(笑)


とは言っても花巻東・盛岡大付属の2強の壁はとてつもなく高い

なんつっても選手層が全然違う

内陸とかそれ以前に岩手県では私立と公立の差が大きい県だ

お隣の秋田県みたいに抜きんでた高校がない県ならチャンスはあるんだけどね

岩手はとにかく私立が強すぎるし花巻東の西舘勇陽投手も普通にドラフト候補の逸材だ

大船渡はどうしても佐々木投手のワンマンチームに見られがちだ

春の大会に彼は投げなかったのも夏を見越しての「温存」だったのかもしれない

そして最後の練習試合となった7日の盛岡一相手に20奪三振の圧倒的投球を見せてもいる


大船渡が甲子園に行くには佐々木投手の神がかり的活躍が不可欠だろう

それこそ江川卓投手や松坂大輔投手のようなレベルである

特に江川卓投手は文字通り彼1人のワンマンチームで打線は全く援護できない有様だった

負けてしまう試合は接戦の1点差負けばかりで甲子園出場も3年まで果たせなかった

そして甲子園でも負けた試合は1点差負け

最後まで味方の打線の弱さに泣かされたわけだ


佐々木投手も同じような展開になるかもしれない

少なくとも私立の強豪校との試合は接戦になるだろう

佐々木投手が相手を抑えても大船渡も点が取れない展開だ

そんな展開では守備力がモノを言う

エラーはもちろん刺せる選手をさせず出塁させるなどから失点に繋がる可能性がある

特に今年の盛岡大付属は機動力野球が特色だけに大船渡はかなり相性が悪そうだ




実際大船渡の甲子園出場は無理という声が圧倒的である

そもそも他の高校の生徒たちだって甲子園に行きたくて必死なんだ

そうだと思うと大船渡だけを贔屓して応援するのも可哀想な気もする

とにかくアツい戦いが見れたらそれで良いんじゃないかな

少なくとも今年の大船渡高校はちょっとした「ドラマ性」があるのは事実だ

佐々木朗希投手にしてみれば全国の強豪校の誘いを蹴ってまで残った地元の一公立校だ

これで甲子園出場出来たら本当にドラマである

まるでマンガ「スラムダンク」並みの奇跡である

35年ぶりの「大船渡旋風」がまた巻き起こるのか・・・?

雄大な岩手山の麓で行われる今年の高校野球大会は檄アツである!

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