エリウド・キプチョゲ人類初のフルマラソン2時間切り挑戦が目前に

 

マラソン世界記録保持者で「世界最速の男」であるエリウド・キプチョゲがついに動く

オーストリアのウイーンで12日から20日までの好天候の日に非公認レースに挑戦する

「INEOS 1:59 Challenge」と題され 目的はあくまで人類初の「サブ2(2時間切り)」である

キプチョゲは公式の世界記録は2時間01分39秒だが非公式の最速タイムは2時間00分25秒である!

これは2017年にイタリアのモンツァ・サーキットでの非公認レース「BREAKING2」での数字だ

これを見るともう2時間切りは目前(あと26秒短縮)まで迫っているのである

決して「夢物語」ではないところまで手が届いている

このウイーンでそれが実現する期待も高いだろう

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2014年以降急激に進化しつつあるマラソン界



キプチョゲ自身もこの偉業への挑戦にはかなり昂っているようだ

本人は「マラソンで2時間を切ることは人類初の月面着陸やエベレスト登頂に匹敵する」と語る

たしかにその通りかもしれない

そもそもつい5、6年前はマラソンで2時間切りなんて夢物語だと語られていた

以下↓の記事などはそれを物語る

どうしてフルマラソンの世界記録は2時間を切ることができないのか?

この記事で予測をしているロス・タッカー博士の想定を大幅に上回るほどマラソン界は進化してる

タッカー博士は2時間3分を切るのは5年以内と言及するが実際はそこから1年程度で“実現”する

2014年9月28日のベルリンマラソンでやはりケニアのデニス・キプルト・キメットが決めた

2時間02分57秒の世界新記録(当時)である

5年“以内”ということだからタッカー先生の想定が間違っていたわけではない

だがさすがにたった1年程度で実現するとはご本人も想像してなかったんじゃないだろうか?



さらに2時間2分を切るのはそこ(5年以内での2時間3分切り)からさらに10年と予想していた

しかしながら実際は2018年9月16日のベルリンマラソンでキプチョゲが上述した記録を残す

2時間1分39秒の世界新記録

まさに世界中が驚愕するタイムだった

さらには今年の9月29日のベルリンマラソンでもケネニサ・ベケレが2時間1分41秒で優勝している

2時間3分どころか2時間1分切りがそれこそ「5年以内」に達成してしまった

しかも2時間3分切りなら今年に入ってビルハヌ・レゲセモジネット・ゲレネウも達成

マラソン界全体がスポーツ生理学の常識を超えた進化を遂げつつあるのである

圧倒的な実力で“絶頂期”のキプチョゲが2時間を切る期待値の高さ



キプチョゲは今年4月のロンドンマラソンでも2時間2分37秒で優勝している

これは当時の世界2番目の最速記録であり1番目の最速記録もキプチョゲ本人

9月にベケレが2時間1分を達成するまではまさに「世界記録のワンツーフィニッシュ」状態だった

そのキプチョゲが先月末のベルリンマラソンに参加せずに備えるこの非公認レースである

ベルリンマラソンは世界記録が何度も出ている事からもランナーにとって極めて有利な条件が揃う

アップダウンの少ないコースに快適な気候である

キプチョゲ本人が世界新記録を出したのも昨年のベルリンマラソンだ

それを出場せずに備えるこのウイーンでの非公認レースである

否が応でも期待してしまう状況である



気になるコースだがウィーンのプラーター公園の並木道「ハウプトアレー(Hauptallee)」だ

木に囲まれた1往復9.6キロの直線コースであり、 両端の円形交差点で折り返し合計4.4往復する

キプチョゲも 「ウィーンには速く走ることができ、ちょうど良い具合に木に囲まれた平坦なコースがある」 と語っていて条件は良さそうなコースである

 


マラソンで大記録を出すには走るコースも重要である

起伏がどれだけあるか、向かい風が吹きやすい立地か、体感温度や直射日光がキツくないか

他にも選手個々によって様々な条件があるだろう

キプチョゲが「ちょうど良い具合に木に囲まれた」と言及しているあたりも注目だ

キプチョゲは木(自然)がある環境がもっとも走りやすいということなんだろう

日頃母国ケニアで標高2440mの丘にあるトレーニングキャンプで今も雑用などこなして過ごす

毎日酸素の薄い高地で起伏の激しい舗装もされてない悪路や林の中を走っているのである

子供のころからケニアで走って育ってきたキプチョゲは樹木の緑が力を与えてくれるんだろう

もちろん樹木が直射日光を遮ってくれたりフィトンチッドによるヒーリング効果もあるだろう

無機質な都会を走るより生まれ育った自然の中をイメージできることがメンタル的にも良いのか

キプチョゲは常々「メンタル」の重要性を口にしているだけにそれも十分あっての選択だろう

日本人とマラソン(走ること)の関係性



日本人はマラソン・・・いや、走ることが好きだ

日本人ほどジョギング好きな民族はいないと海外でよく言われている

各地でマラソン大会も開催され参加する「市民ランナー」も年々増加している

マラソン以外にも駅伝のように日本発祥の陸上競技も盛んである

江戸時代の飛脚のDNAでも流れているのかとにかく「走る事」が好きな国民性である

世界の舞台でも日本のマラソン選手はかつては活躍していた

マラソンは日本の「お家芸」と言われた時代もあった

近年はケニアやエチオピアの選手達に圧倒的に差をつけられてしまっているが

ともかくその日本人の1人としてこのキプチョゲの挑戦はものすごく興味深いものである



よく江戸時代の飛脚がオリンピックに出れば余裕で金メダルと言われる

しかしそれは違う

飛脚は10㎞ごと交代で走っていたのが実情でしかも時速6キロ程度だったそうだ

時速20キロにも届こうかというキプチョゲと比べても圧倒的に遅い

そりゃ履いてるもんが草鞋でしかも舗装されてない悪路に山あり谷ありのコースだ

江戸から京都までの492キロをそんなアップダウンまみれの悪路がずっと続く

ましてや現代と栄養事情も全く違うし比較するのも酷ってもんだ

江戸時代の飛脚が現代にタイムリープしてきて現代の環境で走れば面白いかもしれないが



あとは松尾芭蕉だ

「おくのほそ道」の紀行ペースが常人とは思えないと指摘される

忍者か公儀隠密だったという説もある

どちらにしても江戸時代の日本人はよく歩きよく走っていた

自分の足で歩いて走ることの大切さ・喜びを存分に享受できていたんではないだろうか?

歩くことで“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンが分泌される

美しい自然の中を歩き・走れた昔の日本人は今よりずっと過酷な生活環境でも幸せだったのかも

「木が多い」ことを好条件に挙げていたキプチョゲからそんなことも考えさせられた

日本人ランナーも2時間切りを目指すレベルまで進化するだろうか?

ケニア人ランナーは日本の実業団に多く所属しているし日本人と結婚してその子が達成するとかね

 

11月に35歳になるキプチョゲの年齢的限界(ピーク)はあるのか?

キプチョゲは常々「人間に限界はない」と語っている

しかしそんな彼も11月で35歳になる

2時間切りとなると極限の体力勝負でもありわずかな衰えが成否を左右するかもしれない

そう考えるとこの「INEOS 1:59 Challenge」は2時間切りの最後のチャンスなのかもしれない

成功しても非公認タイムであり「暫定(参考)記録」でしかない

それでもおそらく歴史に名を遺す偉業になるだろう

さらなるロマンを求めれば来年の東京オリンピックで2時間切りを実現してほしいとも思う

しかしベルリンやウイーンと違い酷暑高湿度の東京では環境的にとても望めないだろう

湿度も気温も低めで過ごしやすい気候条件である母国・ケニアと違い東京の酷暑は相当キツい

特に強い直射日光は露骨なまでに体力を削り取ってゆく・・・

マラソンは走るコースが極めて重要なのである



そして35歳になるキプチョゲがピークをどこまで伸ばせるかだ

マラソン選手のピークは大体20代後半~30代前半と言われている

その定説から考えれば35歳はもう「峠を過ぎた」年齢とも言える

しかし9月に2時間1分台を出したベケレキプチョゲより2歳年上だ

37歳でもキプチョゲの持つ世界記録にあと2秒と迫る記録を出すことができた

年齢なんてもんは大した意味はないのかもしれない

 



2年前に非公認レースで出した2時間0分25秒が自己ベスト

あとたった26秒短縮できれば・・・と思う

だが世界トップレベルの世界では26秒短縮させるのもものすごく大変なことである

1㎞あたりのタイムをどれだけ短縮するかというペース配分から考えなきゃいけなくなる

今の時点でも極限まで制限したタイムである

そこからさらにそれだけ短縮しなければならないわけだから

年齢との闘いだけでなく精神力との闘いともなるだろう

“人間の限界”と“人類初の快挙”に挑むロマン



それでも「人間には不可能」という領域に挑戦するロマンは大いに応援したくなるものがある

早ければあと3日後には結果が出ている

エリウド・キプチョゲニール・アームストロングエドモンド・ヒラリーに並ぶ存在になるか?

実現できてもできなくてもキプチョゲはその後もずっと走り続けるだろう

そこに道があるから...そしてその結果は...↓

人類初の“2時間切り”を達成したキプチョゲの速さを100mや50m走に換算してみた

 

 

 

 

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