中国が強硬に反対していた漁獲枠導入が実現しそうである
日本のサンマ漁獲量はかつて年間20~35万トンあった
しかし近年は年間8万トンまで激減
背景に中国がサンマ漁を本格化してサンマが日本近海に到達する前に乱獲していることがある
それ以外にも地球温暖化の影響で海水温が上がったことも影響している
温かい海水を嫌うサンマが寄り付かなくなった
さらにNPFC科学委によれば北太平洋でのサンマ資源自体も激減しているとのことだ
2000年代前半は400万トンだったサンマ資源が近年は130万トンまで激減しているのだ
これらが重なって日本のサンマ漁獲量は激減したわけである
近年はスーパーにサンマが並ばなくなったし並んでも価格が高くなっている
16日から「 北太平洋のサンマの資源管理を話し合う北太平洋漁業委員会(NPFC)の年次会合 」が開かれる
しかし漁獲枠導入に関しては反対していた中国がここにきて態度が軟化した
16日から始まるサンマの資源管理についての国際会議で正式に話し合いが始まる
NPFC科学委が提唱する年間45万トンを上限に話をまとめると予想されている
ただ2年連続で決裂していることもありまだ楽観もできない
参加国は日本・中国・台湾・ロシア・韓国・カナダ・アメリカ・ バヌアツの8か国だ
問題は中国は言うに及ばず近年中国と接近しているバヌアツだ
昨年も中国とバヌアツの2か国が反対したことで漁獲枠上限が設定できなかった
中国によって恩恵を受けている形のバヌアツは中国の「子分」状態である
当然中国の意見を右ならえで支持している
このバヌアツの動きも気になる部分である
ただ昨年の会合でも中国は軟化の兆しが出ていた
中国の漁船はそれまで「やりたい放題」だった
サンマが大量に獲れた時に商品価値の低い小型の魚を海に捨てる「洋上投棄」
無許可操業の漁船に対する巡視船の乗船検査拒否
上記に関しては対応することになった
洋上投棄は止め、日本の巡視船による乗船検査も受け入れることを認めたのである
それだけに今年はいよいよ漁獲枠制限に同意するかが注目される
実現すれば日本のサンマ不漁解決に繋がるかもしれない
近年日本でサンマが獲れなくなったのは中国だけでなく台湾の乱獲も背景にある
中国の漁獲量は2010年以前の30倍以上に増えているし台湾も日本の漁獲量を上回った
近年はサンマだけでなくサバの乱獲も始まってきている
中国台湾の横暴をこのまま泣き寝入りしているわけにもいかない
そうでなくても日本の水産資源はウナギにしろクジラにしろイワシにしろ資源が枯渇しかけている
島国であり魚との関係が深い日本である
食の洋風化が進んでも魚の需要が尽きることはない
実りある話し合いになれば良いと思う