“令和の怪物”佐々木朗希投手と大船渡高校は甲子園に行けるのか?

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大船渡高校がシード校であり前評判で県内トップ3に入っていた盛岡第四高校に4-2で競り勝った

佐々木朗希投手は4番・投手で出場し延長12回を投げ切り194球21奪三振の力投

さらには自らの決勝2ランホームランで試合を決める大活躍だった

盛岡第四は岩手県では公立高校で最後の甲子園出場校(1994年)でもある

今年は春の大会でも県内トップ2の一角盛岡大付属高校を倒し決勝戦まで勝ち進んだ

決勝で花巻東に敗れたが県内トップの打力と評価される強豪だった



その強打の盛岡第四を佐々木朗希投手は8回無失点に抑えていた

しかし9回裏に159キロの直球をはじき返されて2点を奪われた

さらに二死満塁でサヨナラ負けというところまで追い詰められた

だが佐々木朗希投手は踏ん張ってそれ以上失点を許さなかった

やっぱり実力は相当なものだろう

「岩手県公立高校最強決定戦」とも言える試合は大船渡の勝利だった


だがその代償も大きかったかもしれない

盛岡第四は佐々木朗希投手のボールを徹底してカットして粘る戦い方をしてきた

しかも延長12回まで投げ抜くことになり佐々木朗希投手の球数は190球を超えた

これによって本日の準々決勝(ベスト8)は投げることはできなくなったと思われる

本日の久慈高校との試合は佐々木朗希投手抜きで勝たなければならない

打者としても休ませたいのが本音だろうがそこまでは余裕ないだろうが


久慈高校は盛岡第四よりは劣るとは思われるがここまで勝ち上がってきている以上油断できない

そもそも佐々木朗希投手抜きで闘わなければならないんだ

おそらく先発になると思われる大和田健人投手や他の3投手のプレッシャーは相当なものだろう

このプレッシャーも大きな敵と言える

だがこの試練を乗り越えられなければ甲子園は見えてこない

佐々木朗希投手1人におんぶにだっこというわけにもいかないだろう



大船渡高校の弱点は層の薄さだと方々から指摘されている

花巻東や盛岡大付属の2強に比べるとどうしても厳しい面子である

國保陽平監督も「佐々木以外の投手がポイント」と口にしている

いよいよそれが試される時が来た

大和田健人投手は1回戦遠野緑峰高校選では5回無失点の好投を見せている

この投球を続けられれば勝機も見えてくるが久慈高校も強い


だがこの久慈高校戦を乗り越えれば準決勝は24日で決勝戦は25日だ

佐々木朗希投手は2試合とも投げられるだろう

しかも岩手県の天気予報ではどちらか雨で流れる可能性も見える

そうなればまさに「恵みの雨」となる

「天運」まで味方につけてしまえばまさに真のスーパースターである

スーパースターになる選手は例外なく「圧倒的天運」も秘めている


準決勝の相手は読みにくい

前評判通りなら盛岡第三高校だがあの盛岡大付属高校を倒した一関工業高校も勢いに乗っている

どちらがきてもラクな試合にはならないだろう

日程通りなら続く決勝戦は連戦となるからこの準決勝は余力を残して勝たなければならない

そのあたりも難しいか

「先の事なんてわからねぇ」と1試合1試合全てに全力投入で「明日なき勝利」では続かないだろう


この盛岡第四高校戦はまさに「明日なき勝利」といえるものだった

190球以上投げた疲労が今後どう影響するか・・・?

それとも佐々木朗希投手が未知数とされているスタミナ面でも超人的なものがあるのか?

こればっかりは本人にしかわからないだろう

もしかしたら本人さえ自分のスタミナがどこまであるのかわからないのかもしれない

アドレナリンによって引き出されるスタミナもあるわけだから


決勝は普通に考えれば花巻東だろう

花巻東は投手力が豊富でエース西舘勇陽投手をしっかり温存しながら勝ち進んでいる

西舘投手とエースの座を争う左腕の中森至投手も好投手だ

3回戦で完封勝利をしたサイドスロー投手の佐藤靖友投手までいる

さすがメジャーリーガー2人を輩出した甲子園常連校だ

投手力の層の厚さはもはや比較にならないレベルだ


その花巻東に勝つには佐々木朗希投手の圧倒的投球に賭けるしかないだろう

花巻東もエース西舘勇陽投手が真っ向投げ合う投手戦になる予感がする

西舘投手も高卒後すぐは無理でも大学・社会人を経てプロ入りできる力はあるほどの投手だ

投手戦になれば打線が佐々木朗希投手をどこまで援護できるかも重要になる

この盛岡第四高校戦も打線が援護しきれなかったことで試合が長引いた

大船渡高校の打線の奮起も必要になる


さらに投手戦になり1点を争う接戦になると守備力がとても大きくなる

1つのエラーで流れが変わったり致命的な決勝点に繋がる可能性があるからだ

今年の花巻東の最大の強みはその守備力である

甲子園常連校だけに守備も相当鍛えられている

大船渡高校も守備力はよくなってきているがそれでも守備でミスがまだ目立つ

緊迫した決勝戦の終盤でそれをやったら致命的だ


さらに花巻東高校は昨年春夏甲子園に出場している経験がある

甲子園常連校でもあり受け継がれた大舞台での経験値も圧倒的に違う

大船渡高校はここからの緊迫した試合はほぼ「初体験」だろう

その緊張感やプレッシャーに打ち勝つことができるのか?

それもポイントになってくると思われる

佐々木朗希投手1人のワンマンチームで甲子園に行けるほど甘くもない


佐々木朗希投手
が「令和の怪物

松坂大輔投手が「平成の怪物

そして・・・甲子園市場最強投手と評判の江川卓投手が「昭和の怪物」である

江川卓投手は3年夏の県予選は5試合全て投げ切っている

その内容がすさまじいもんだ

木製バットの時代ったといってもちょっと異次元すぎる


2回戦の真岡工高校戦は9回21奪三振1四球でノーヒットノーラン(試合は4-0)

3回戦の氏家高校戦は9回15奪三振無四球振逃1でノーヒットノーラン(試合は2-0)

準々決勝の鹿沼商工戦は9回15奪三振2四球完封(試合は5-0)

準々決勝の小山高校戦は8回1安打無失点2四球10奪三振(試合は6-0)

決勝の宇都宮東高校戦は9回14奪三振無四球2失策のノーヒットノーラン(試合は2-0)

こんな超人的内容でほぼ「ワンマンチーム」状態で作新学園を甲子園に導いた


さすがに佐々木朗希投手にここまでを期待するのは酷だ

木製バットの時代だったし今のように170キロのマシンで練習できる環境などなかった時代だ

それを差し引いてもバットに当てるだけでどよめくほどすごかったそうだからやはり異次元だが

しかし大船渡も当時の作新とチーム事情は似通っている

当時の作新は打線があまりにも打てず江川卓を援護しきれず甲子園を制覇できなかった

守備でも足を引っ張った


大船渡高校が甲子園にかける思いは相当なものだろう

190球以上投げ抜いて勝った試合のあと佐々木朗希投手は感極まって泣いていた

本人もそれだけ甲子園に出たいということだろう

私立の競合高校に層の薄い公立高校がどこまで立ち向かえるのか

岩手県に25年ぶりの公立高校から甲子園出場校が誕生するのか?

今年の岩手県大会はロマンが詰まっている


それにしてもこの過密日程は何とかならないのか?

毎年言われていることだけどもっとゆとりのある試合間隔にすればよいのに

せめて地方大会だけでももっと早くに開催してせめて中3日は開けてあげるべきだろう

球数制限というより試合間隔制限が重要だ

その試合に投げた球数より実は連投による負担の方が肩には良くないと言われている

今年の岩手県大会の日程もあまりに過密すぎて投手にはあまりに酷すぎる

準決勝と決勝戦を連戦にする意味は何なのか?

そもそも岩手県は甲子園とか千葉県大会の会場である千葉マリンのようなプロ野球の本拠地はない

日程にも融通は効くはずではないのか?

この立地環境でここまでの過密日程をこなす理由がわからない

せめて7月1日から大会を始めればもっとゆとりのある日程になるだろう

なぜ7月半ばまで開催を引っ張るのかわからない・・・


しかしスカウトも多く詰めかけてきている

国内プロ野球12球団はもちろんメジャーリーグのスカウトまできているほど

この試合もヤンキースのアレックス・サンダーランドスカウトまで来ていた

米大リーグのドラフトでも一巡目の1番目に入る可能性はあると言われている

サイ・ヤング賞まで獲れる逸材との評価だ

本人は国内一本のようだが高卒後即メジャーや八村塁選手の様に米大学から指名などもあるか?

令和世代」として初の高校野球である

話題にも事欠かない

星稜高校の奥川恭伸投手は158キロを出した

佐々木朗希投手もこの試合で公式戦としては初の160キロを計測した

今年のドラフトは好投手揃いで大いに盛り上がるだろう

だがその前に大船渡高校が持つ「ロマン」を存分に楽しみたいと思う

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