兵庫県の宝塚市が就職氷河期世代に限定して採用試験を実施する
3名を正規の事務職員として雇用すると発表した
だがその対象者は「1974年4月2日~1984年4月1日生まれ 」と限定されている
つまり現在35才~44才までの世代に限定したということだ
学年で言うと1974年生まれの学年~1983年生まれの9学年が対象だ
だが就職氷河期世代(ロスジェネ)はこの9学年だけではない
1970年生まれ~1973年生まれも含まれているしこの世代は「団塊ジュニア」である
人口ボリュームも突出している世代だ
世代人口が極めて多い45才を過ぎたこの世代をもう「切り捨てる」ということなのか?
ちなみに政府も就職氷河期世代の支援に言及しているがやはりこの世代までで45才以上は対象外だ
それはあまりにも残酷じゃあないのか?
そもそもこの4学年だけを除外する意味もないだろう
さらに言えば表向きは44才まで対象になっているが現実は40才過ぎは採用試験も不合格では?
さすがにそこまでは勘ぐりすぎかもしれないが「年齢差別」はよくない
政府の「ロスジェネ支援」は選挙目当てのリップサービス感も強い
だが宝塚市が「リップサービス」をする意味はないわけでたった3名の雇用でも意義のあることだ
この動きがきっかけで全国に広まれば良い
中川智子市長は 「人は生まれてくる時代を選べない。就職氷河期世代は『大変なときに生まれて苦労したね』で済ませることはできない」 と語っている
実際就職氷河期世代は最も就職が難しい時代に直面し、しかも老後は年金もアテにならないというもっとも不遇な時代に生まれ育ったと言える
大学進学率も低く学歴面でもこれ以降の世代に比べて恵まれていない
特に団塊ジュニア世代はその氷河期世代の中でも最も不遇な世代である
そのあたりは以前も↓の記事で就職氷河期世代内の“格差”について言及した
団塊ジュニア世代の悲劇は挙げていたらキリがないほどだ
世代人口が多かったことで親や教師からも1人1人に対する愛情が希薄になりがちだった世代だ
子供の数が多ければ当然1人1人に与えられる愛情も意識も分散されてしまう
そして世代人口が多いから大学受験にしても就職活動にしても競争率だけは高くなる
ましてや就職活動時期はその上の世代の雇用を守るために採用枠を極限まで絞られた時代だ
おかげで多くの若者が新卒で就職できずワーキングプア層に堕ちていってしまった
例外もあるが基本的にこの国は新卒で正社員雇用されないとその時点でその後の人生は苦しくなる
多くがドロップアウトした団塊ジュニア世代の苦難は今後も続く
世代人口が多いことで老後は社会保険の負担で国から疎まれる存在になる
世代人口が多いことで良い事などほとんどないわけだ
中学高校時代は学校自体が不良だツッパリだと荒れていた時代だった
金八先生とかスクールウォーズとかビーバップハイスクールとかやっていたような時代だ
その流れに巻き込まれて大事な中学高校時代に道を踏み外してしまった子も多いだろう
上述した更新でも触れたが1980年代の大学進学率は1970年代より下がっている驚愕の事実がある
これは世代人口の多さとそこからくる「学校が荒れた」時代背景もあっただろう
学力より「喧嘩の強さ」がモノを言う中学高校時代に当たってしまった
真面目に勉強してれば「ガリ勉」とバカにされる時代だったわけだ
それらは団塊ジュニア世代よりもう1つ上の世代に色濃い特徴ではある
だが団塊ジュニア世代もそういった時代の終わりの方に入っているのも事実だ
ましてその上の世代はまだバブルの恩恵をギリギリ受けられた世代でもある
それを受けられなかった団塊ジュニアはつくづく時代に恵まれなかった世代である
しかしながら時代を憎み時代を嘆いても仕方ない
大事なのは過去や時代を悔やむより「今(これから)」をどう生きるかだ
45才過ぎたら何もできないというこの国の年齢差別は本当に酷い
こんな発想を持ってるのは日本くらいでありこの国の中年・高齢者嫌いは異常である
だけどあまりこの問題は触れられることがない
こんなに「年齢差別」が蔓延する国も日本くらいである
だが45才過ぎてたって新しい挑戦をして成功した人間はいくらでもいる
どっちみちAIによって仕事が奪われることになると言われている時代だ
時代の先を呼んで自分がどの道で活きていくのか早めに見極めることが大事である
そうすることで今仕事があってもAIに職を奪われる人より何歩も先に進むことができる
AIには対応できない・・・人間にしかできない仕事というものもたくさんある
国が45才以上を切り捨てるのであればもう中途半端に「正規雇用」などアテにしなければ良い
自分で仕事を作り自分の力で稼げるようになれば良い
今仕事がある人だってこれからは「自分で稼ぐ力」が求められる時代だ
TOYOTAほどの大企業ですら終身雇用はもう限界だと宣言する時代だ
国や企業をアテにする時代はもう終わりを迎えつつあるのである
一番大事なのは「もう歳だから今からじゃ無理」と考えてしまうマインドだろう
そのマインドは「行動のブレーキ」となり新しいことをする気力すら奪ってしまう
そもそも「もう歳だから」と考えた時点で人間は本格的に年老いていくものだと思っている
大切なのは「あきらめない」ことだろう
何歳からでも成功できる人間はできる
大事なのは「やるかやらないか」
ただそれだけである
そしてそれを「継続」できるかである