“令和の怪物”佐々木朗希投手は“絶対王者”花巻東を倒せるのか?

スポンサーリンク

高校野球岩手県大会の決勝戦はついに佐々木朗希投手率いる大船渡高校VS“王者”花巻東に決まった

花巻東が決勝戦進出するのは大方の予想通りだ

しかし大船渡高校が決勝まで進めるかは疑問視する意見が多かった

花巻東と「2強」状態の盛岡大付属高校や盛岡第四高校など他にも強豪校はあった

しかし盛岡大付属高校は早々に敗退し盛岡第四高校は大船渡が自ら倒して決勝戦を勝ちとった

ついに大船渡高校野球部の「夢」である35年ぶりの甲子園出場がまであと一歩まで迫った


思えば佐々木朗希投手は大阪桐蔭だけでなく明日対戦する花巻東からも誘いがあった

そういった強豪私学の誘いを断って地元の仲間たちと甲子園を目指す道を選んだのである

その「夢」まであと一勝というところまできた

別に花巻東に何の怨みもないがこんなドラマがあるとどうしても大船渡贔屓になってしまう

選手層や練習環境等で私学に圧倒的に不利な公立高校が「下剋上」を果たすというのも見てみたい

明日の決勝戦は全国でも屈指の好カードであり注目度も抜群だろう


明日は日米プロ野球スカウト陣もまた大量集結は確実だ

それは佐々木朗希投手だけじゃあない

対戦相手の花巻東高校のエース・西舘勇陽投手もプロ注目レベルの投手だからだ

佐々木朗希投手があまりに脚光を浴びていて霞んでいるが西舘投手も普通にプロ入り濃厚レベルだ

MAX150キロ右腕であり本日の黒沢尻工業戦でも140キロ台後半をコンスタントに出していた

プロ野球の先発ローテ投手でもこれだけ安定して140キロ後半以上を出せる投手って実は少ない


佐々木朗希
投手があまりに脚光を浴びすぎて完全に日陰状態だが西舘投手も十分“怪物”だ

実際高校1年の時は佐々木朗希投手より西舘勇陽投手の方が「怪物候補」として注目されていた

高校一年時からベンチ入りしたほどの選手である

1年からベンチ入りしたなんて過去には菊池雄星投手や大谷翔平投手だけである

偉大な大先輩2人と同じくらいの期待をされ花巻東の「出世番号」でもある背番号17も背負った

今や文字通りのエースナンバー「1」をつけ完全にエースとして台頭した


本日も黒沢尻工業戦で花巻東は先発左腕の中森至投手が打ち込まれ1-5とリードを許した

しかしその後を引き継いだ西舘勇陽投手がそれ以降1点も許さず圧倒したことで逆転を呼んだ

西舘勇陽投手のストレートは最速149キロを計測し強打の黒沢尻工業打線を完全に力で抑え込んだ

彼はその剛速球に加えて100キロを切るスローカーブまで投げて50キロ以上の緩急差まで使える

しかもスプリットもよく落ちて奪三振率も高いし佐々木朗希投手より制球力も良い

はっきり言って大船渡高校の打線では1点取るのも大変な投手だ


そして花巻東高校はさすが甲子園常連校だけあって選手層が大船渡とは桁違いだ

まずどの選手も体格が良く長打力が違う

さらに決定的な違いは守備やバントなどの小技がしっかりしていることだ

守備力は接戦になればなるほど重要になる

高校野球レベルではバットにボールが当たれば何があるかわからない

プロでは絶対ありえないようなエラーやポテンヒットが続出する


接戦になれば1つのエラーが勝敗を分けることはザラにある

両校の守備力の差は佐々木朗希投手と西舘勇陽投手の投手戦となる明日は最大のポイントだ

おそらくロースコアの攻防になると思われる

大船渡が終盤の勝負所でエラーをしてしまわないかどうしても不安要素となる

西舘勇陽投手を打ち崩すのは難しいから出塁したらバントをして進塁させるなども必要だろう

だが大船渡高校は普段もバントをあまり使わないし実際バントはかなり下手である


そういった細かな部分の差もかなり大きい

まして花巻東高校は甲子園常連校かつ昨年も甲子園に出ている

エースの西舘勇陽投手も甲子園での経験を積んでいる投手だ

大船渡高校は甲子園どころかこの決勝戦のようなプレッシャーのかかる試合も初めてだ

経験豊富である花巻東に対しガチガチに緊張する大船渡高校という構図も浮かぶ

ましてや明日は注目度も全国レベルだろうし客もものすごく入るだろうから


そして佐々木朗希投手は本日完投した事で130球も投げている

ただでさえ四球が多く球数が多くなりがちな彼が130球投げて連日登板で完投できるのか・・・?

対する西舘勇陽投手は本日5イニング投げた

しかも先発ではなかったし本来は温存して決勝戦に万全の体制で挑むつもりだったんだろうか?

西舘勇陽」というカードを温存しようとした花巻東

佐々木朗希」カードを真っ先に切った大船渡・・・


決勝戦のことなど考えて投手起用していたら足元をすくわれるという懸念もあったんだと思う

だが今日の一関工業なら大和田健人投手や和田吟太投手でもある程度抑えられた感もある

逆に明日の花巻東高校打線を大和田投手や和田投手が抑えられる可能性はかなり低い

まず大和田投手も和田投手も奪三振率が低すぎる上に花巻東打線はよく粘るし簡単に三振しない

しかもみんな体格が良く打球も速いからバットに全打者当てられればヒットになる打球も出てくる

問題は大船渡の守備力ではそれがより顕著になるということだ


そう考えると今日佐々木朗希投手を完投させてしまったことが明日に響くかもしれない

花巻東は盛岡大四高校がやったように徹底して粘って佐々木朗希投手に球数を投げさせると思う

花巻東打線はそうでなくてもとても粘り強い

よく練習しているのがよくわかる打撃だ

佐々木朗希投手さえマウンドから降ろしてしまえば大船渡高校にはほぼ勝ち目がない

それがわかっているから佐々木朗希投手の「ガス欠」を狙ってくるだろう


逆に大船渡が甲子園に行くには佐々木朗希投手が圧倒的投球でねじ伏せるしかないだろう

かつての江川卓投手や松坂大輔投手のように「決勝戦でノーヒットノーラン」でもするくらいの

相手が粘ることもできないほどの投球をするしかないだろう

打線も西舘勇陽投手相手じゃ1,2点取れるかどうかだろう

それも佐々木朗希投手が自らホームランでも打つしかないか?

江夏豊じゃあないけど「野球は1人でもできる」状態になるくらいじゃないと勝てないかも?


だが佐々木朗希投手は「チームみんなの力で」という言葉をよく口にしている

自分だけのワンマンチームに思われたくないだろう

その気持ちはとても美しいものだ

しかしながら現実は残酷だ

花巻東とのチーム総合力の差はさすがに大きい

まさに江川卓が率いた作新学院にチーム状況が似ている


しかし大船渡高校にとって花巻東戦は「仮想甲子園」でもある

甲子園に出場するチームはどこも花巻東と同等かそれ以上の強さがある

この花巻東相手に佐々木朗希投手以外の選手達がどこまでやれるかでその実力が測れる

とにかくこれまでの相手とは次元が違うことを覚悟して挑む必要があるだろう

相手の花巻東高校は「絶対王者」であり大船渡高校は完全な「挑戦者」なんだから

でもだからこそ大船渡高校がどこまでやれるのかすごく興味深い試合でもある


せめて「恵みの雨」が降って1日順延してくれればさらに面白い展開になるだろうが・・・

残念ながら明日の岩手県は試合が中止になるほどの雨はまず降らないだろう

つくづく高野連の作る試合日程には問題がある

なぜ試合間隔をここまでギッチンギッチンに詰めてしまうのか

昨今球数制限が各所で言われているがそれだけでなく日程問題も提起すべきだろう

この岩手県大会だって7月1日からスタートすれば中3日以上開けてゆとりの日程で消化できたのに


大船渡高校が花巻東に勝つことは容易じゃあない

令和の怪物”である佐々木朗希投手の超人的な力に依存せざるを得ないだろう

人間がウルトラマンの力に頼らざるを得ないように・・・

だが仮に甲子園に行けてもまた同じ展開になるのも火を見るより明らかだ

全試合佐々木朗希投手がどこまで投げられるかにかかっている

大和田健人投手・和田吟太投手・ 柴田貴広投手・前川眞人投手・・・控え投手の実力は厳しい


それでも大船渡を応援してしまうのは単純に佐々木朗希投手を甲子園で見たいからだけじゃあない

これだけ圧倒的な戦力差がある状態で戦力的に劣るチームが「絶対王者」にどこまで戦えるか?

そんなロマンに最大の魅力があると思う

大船渡高校の選手たちが3年間追い続けた「夢」がすぐそこまで迫っている

明日はどんな結末が待っているんだろうか?

勝っても負けても彼らには悔いのない結果であってほしいなと思う

タイトルとURLをコピーしました