プロ野球界が迷走している。
現実味のない「開幕目標」を設定しては延期をダラダラと引き延ばしている。
最初は4月上旬、続いて4月下旬、続いて5月と言っては全て断念し、
今度は「6月中の開幕を目指す」とのこと。
昭和大学の二木芳人客員教授(感染症専門)が「今から1年では国内だけでも収束は困難」という超悲観的かつネガティブな予測が出されてしまった。
そもそも海外でもハーバード大学が収束まで2年はかかると言っていたし、過去のスペイン風邪がそうだったように、コロナに対する社会的免疫が浸透するまで2~3年は覚悟しなければならないと。
はっきり言って、選手はもう調整どころではないだろう。
いつ開幕するのかわからなければ調整のしようがない。
試合があるかどうかもわからなければ、練習のしようがない。
もう春のキャンプで仕上げた選手の状態もほとんど失われてしまっているだろう。
特に打者は完全に実戦感覚を失ってしまってシーズンオフの状態に近い。
4月18日時点でコロナは全く収束の気配がないどころか、東京はまだまだ拡大している現状。
これが6月で収束していると考えるのはあまりに希望的観測。
仮に6月で収束しても、すぐに何万人も収容して試合なんてしたらまた再度クラスターで感染爆発。
どう考えても今シーズンに客を入れて興行をするなど不可能だろう。
8月以降に60試合だけやるとかいう案もあるみたいだが、そんな中途半端にやっても意味があるのかわからないし、過去の優勝と比較して公平性に欠けるだろう。
観客もかなり距離を離して入れる案があるけど、そんなことをしてまで決行しても通常の半分も入れられないし、自前球場を持たない球団は赤字になりかねない。
オリンピックでさえ翌年延期になったのにプロ野球はできるなんてことが通るわけもない。
そもそもプロ野球に限らずJリーグもBリーグもラグビーも相撲もプロレスも客を入れるイベントや興行は今年はほぼ絶望的ではないだろうか?
やるとすれば無観客試合しかない。
スポンサーを増やすか、既存の配信コンテンツの視聴料金を倍にするなどしてそっちからの収入を増やすしかないだろう。
ただ、それで断行したとしても選手や球団スタッフの感染リスクは依然高いままだ。
今日もジャイアンツ球団の球団職員がコロナに感染した。
大勢の人間が触るボールに常に触れ合うのが野球というスポーツだ。
アウトを取れば内野でボールを回す行為すら避けたくなるだろう。
ベンチも「3密」だ。
選手が観戦するリスクは裸でぶつかり合う相撲やプロレスほどでないにしてもかなり高い。
まして、優勝したらビールかけをやるんだろうか?
そんなことしたら・・・ほぼ全員感染してしまう「死のビールかけ」になりかねない!
ビールかけなんて来年以降でも無理ではないだろうか?
飛沫感染しまくりである。
そもそもオリンピックですら来年でも開催できるかわからないのが現状である。
コロナが完全に鎮静化するには2~3年かかるとハーバード大の試算も出ている。
日本だけでなく世界中のあらゆるイベントが2~3年かかると思うとゾッとしてしまう。
スポーツ紙はこの厳しい現実は報道していない。
スポーツ紙にとってプロ野球は最も重要なネタ元である。
プロ野球界にマイナスなことを記事に出来るわけもない。
だから「今年はもう無理」という論調がないのである。
しかし、中途半端に期待させられながら「やっぱり今年は中止」となるほうがファンは辛いのではないか?
あるいは、奇跡的な収束を願うしかないんだろうか?
ただ、ワクチンは臨床や認可を経て1年はかかるのも現実である。
コロナが憎い。
コロナのせいであらゆるものが潰されてしまっている。